エントリーシートの自己PRで人事の心をつかむには?評価される書き方のポイントと例文

「ESの自己PRって、何を書けばいいんだろう…」「どうすれば採用担当者に『会いたい』と思ってもらえるんだろう」

就職活動を始めたばかりの大学生にとって、エントリーシート(ES)の自己PRは、最初にぶつかる大きな壁の一つですよね。

インターネットで調べても、抽象的なアドバイスばかりで、なかなか筆が進まないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、人事担当者が「会いたい」と思う自己PRの書き方を、具体的なポイントやIntern Streetの面談講師が実際に就活時に使用していた自己PRを交えながら解説していきます。

最後まで読んでいただければ、自信を持って提出できる自己PRを作成できるようになりますので、ぜひ読み進めてみてください。"

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自己PRとは?自己PRとガクチカの違いを明確に理解しよう

自己PRの書き方を考える前に、まずは「自己PR」と「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の違いを理解することが大切です。この2つを混同している学生さんは少なくありませんが、それぞれ企業が知りたい内容は異なります。

自己PRは、あなたの「強み」や「価値観」をアピールするものです。例えば、「私は課題解決能力が高いです」「チームをまとめるリーダーシップがあります」といったように、あなたが企業で働く上でどういう貢献ができる人材なのかを伝えます。

一方、ガクチカは、「ある特定の期間に、あなたがどのような目標を掲げ、どのような行動をとったか」を伝えるものです。サークル活動やアルバイト、ボランティアなど、具体的なエピソードを通してあなたの行動力や思考力を示します。

つまり、自己PRが「私の強みは〇〇です」と結論を述べるのに対し、ガクチカはその強みが「なぜ身についたのか」「どのような経験から生まれたのか」をストーリーで語る役割を担っているのです。

人事担当者が「会いたい」と思う自己PRの3つの特徴

では、人事担当者は自己PRを通して何を見ているのでしょうか。

今回は毎日学生のキャリアと向き合っているIntern Streetの面談講師に「この学生に会って話を聞いてみたい」と感じる特徴について3つ挙げてもらいました。

特徴1:結論ファーストで何ができる人材か明確である

採用担当者は、何百、何千ものESに目を通します。その中で、一目であなたの強みがわかる文章は、担当者の注意を引く上で非常に重要です。

最初に「私の強みは〇〇です」と結論を述べ、その後に具体的なエピソードを続けることで、読み手はあなたの文章の全体像をスムーズに把握できます。

逆にこれができていないと「結局この学生の強みはよくわからない」とネガティブに評価されて、選考を通過できません。

特徴2:エピソードに一貫性があり、強みが納得感をもって伝わる

ただ強みを述べるだけでは、根拠に乏しく、説得力に欠けてしまいます。「本当にその強みを持てているの?」と疑念を持たれてしまうかもしれません。

そこであなたの強みが、どのような経験から生まれ、どう活かされてきたのかを具体的に示すことで、文章に深みと説得力が生まれます。

エピソードが強みとしっかり結びついているか、論理に破綻がないかを確認しましょう。

特徴3:入社後にどう貢献できるか具体的にイメージできる

あなたの強みが、志望する企業や職種でどのように活かせるかを伝えることは、非常に重要です。

「入社後に貢献できること」まで言及することで、企業はあなたが自社で働く姿を具体的にイメージできます。これは、単なる過去の経験談ではなく、未来志向の文章として人事担当者に響きます。

「入社後に貢献できること」は直接的・具体的に書ければそれに越したことはありませんが、まだ明確に書けない場合でも間接的には伝えることができます。

自分の頭で考えられること(主体性)、考えを行動に移せること(行動力)、行動し続けられること(継続力)を感じられるように書きましょう。

魅力的な自己PRの書き方

これらのポイントを踏まえ、実際に自己PRを作成するための具体的な5つのステップをご紹介します。

ステップ1:過去の経験を棚卸し、強みを見つけ出す

まずは、これまでの学生生活を振り返ってみましょう。アルバイトやサークル、学業、ボランティアなど、どんな経験でも構いません。

「どんな時にやりがいを感じたか」「どんな困難を乗り越えたか」といった視点で、一つひとつの出来事を書き出してみてください。1日程度かけて自分史を書いてみるのもおすすめです。

(自分史についてはこの記事で詳しく解説しています。【例文・AIプロンプト付】長期インターンの自己PRはこう作る!初めてでも伝わる型と例文つきで解説

また友人や家族に自分の強みを聞いてみたり、生成AIに自己分析につながる問いをくりかえしてもらったりするのも有効な手段です。

ステップ2:企業が求める人物像をリサーチする

次に、応募する企業がどのような人物を求めているのかをリサーチします。

企業の採用ページやIR情報、社員インタビューなどを読み込み、「コミュニケーション能力」「主体性」「チームワーク」といったキーワードを洗い出しましょう。

なお、この際には以下のように二項対立を立ててみて分析するとつかみやすいです。
・大事なのは「頭脳」or「体力」
・「チームワーク重視」or「個人の力重視」
・「一歩一歩慎重に行動すべき?」or「失敗をおそれず、まずやってみるべき?」

正直なところ、最初はどの企業も同じような素質を求めているように感じますが、分析を続けていると徐々にその違いが分かってきます。

ステップ3:強みを裏付ける具体的なエピソードを選定する

ステップ1で見つけた自分の強みと、ステップ2でリサーチした企業が求める人物像を結びつけます。自分の強みを最も効果的に示せる、具体的なエピソードを一つに絞り込みましょう。

なおその際はいきなり200文字、300文字に整理するのではなく、まずは可能な限り要素を書き出してみてください。論理、話の網羅性、読みやすさなど全部度外視で構いません。まずは言語化することです。

そのうえで、こうした要素を生成AIに残しておくと、その後の作業がしやすいです。

ステップ4:PREP法を用いてロジカルに構成する

文章を構成する際は、「PREP法」を使うと論理的で分かりやすくなります。

P (Point):結論
「私の強みは〇〇です。」
R (Reason):理由
「なぜなら、〇〇という経験でそれを発揮したからです。」
E (Example):具体例
「具体的には、〇〇という目標に対し、〇〇という行動をしました。その結果、〇〇という成果を出しました。」
P (Point):結論
「この経験から得た〇〇という強みは、貴社で働く上で〇〇という形で活かせると考えています。」

なお、最近では生成AIを使うことで、一瞬でロジカルな文章を生成できますが、一度は自分の力だけで書いてみることをおすすめします。自分の経験のどこを強調したいか理解できていないと、面接の場で答えられません。

いかにもAIが書いた文章、AIが考えた内容の丸暗記は、選考担当者の印象を著しく下げますので注意してください。

ステップ5:大学のキャリアセンターや先輩に添削してもらう

完成した自己PRは、必ず第三者に読んでもらいましょう。

客観的なフィードバックをもらうことで、自分では気づけなかった改善点が見つかります。大学のキャリアセンターや就活を終えた先輩に相談してみるのがおすすめです。

【強み別】自己PRの例文3選

ここでは、代表的な強みである「課題解決力」「継続力」「リーダーシップ」をテーマにしたIntern Streetの面談講師が実際に就活時に使っていた自己PRの例文をご紹介します。

例文1:課題発見力・解決力

私の強みは、課題の本質を特定し、論理的なアプローチで解決に導く「課題解決力」です。

この強みは、○○大学を目指した大学受験の経験で培われました。

受験勉強を始めた当初、模試ではE判定という厳しい結果でした。そこで、私は「なぜ合格ラインに届かないのか」を徹底的に分析しました。結果、難問への対策ではなく、英語と古典の「語彙力」、そして数学と英語の「基礎問題」という、最も基本的な部分に課題があることを特定しました。

この本質的な課題を解決するために、以下の2つの施策を実行しました。

一つ目は弱点の可視化と徹底的な反復練習です。苦手な単語や文法を特定するため、単語帳の内容を全てスマートフォンアプリに移し替えました。これにより、自分がどの問題を何回間違えたかをデータで把握できるようになり、効率的に基礎知識を定着させることができました。
二つ目は基礎の徹底による確実性の追求です。応用問題に時間を割くのではなく、基礎問題集を何回も繰り返すことで、基礎問題では絶対に間違えない状態を目指しました。

これらの施策を愚直に実行した結果、最後の模試では全国トップクラスの順位を収めることができ、○○大学に合格することができました。

この経験で培った「課題の本質を見抜く力」と「解決に向けた具体的な施策を実行する力」は、貴社でクライアントが抱える多岐にわたる課題を解決する際に、必ず貢献できるものと確信しております。

例文2:継続力・粘り強さ

私の強みは、目標に向かって粘り強く取り組む「継続力」です。

この強みは、2つの経験から培われました。
1つ目は、大学で所属している学生団体○○での活動です。リーダーとして、留学生と○○大生の交流イベントを企画・運営しました。当初、参加者が集まらないという課題に直面しましたが、交流会を小規模に複数回開催して学生のニーズを把握したり、SNSでの発信を強化したりと、地道な改善を繰り返しました。その結果、約100名規模のイベントを成功させることができました。

2つ目は、小学校○年生から続けている合唱です。特に高校時代は学生指揮として、合唱初心者が多い部員の発声練習や曲作りを担いました。練習方法の改善や個別の指導に徹底的に取り組み、チーム全体の技術向上に貢献し、最終的に○○大会○位のメンバーに選出された経験もあります。

これらの経験を通じて、私は困難な課題に対しても諦めずに試行錯誤を繰り返し、成果を出すことの重要性を学びました。

入社後も、この強みである「継続力」を活かし、与えられた業務をやり抜くだけでなく、常に新しい知識やスキルを貪欲に吸収することで、貴社の事業に貢献していきたいと考えております。

例文3:リーダーシップ・巻き込み力

私の強みは、多様な価値観を持つ人々を巻き込み、共通の目標達成に向けてチームを牽引する「リーダーシップ」です。

この強みは、国際交流プログラム「○○」での経験を通じて培われました。私は、世界○○カ国の青年総勢○○名が参加するセミナーの企画委員会のリーダーを務めました。年齢も文化背景も異なる○○名のメンバーと議論を重ねる中で、意見の対立がたびたび起こりました。

そこで、私は以下の2つのアプローチでチームをまとめました。

一つ目は全員の意見を尊重する対話の場を設計することです。意見が対立した際には、個々のメンバーの背景や考え方を深く理解するため、1対1で対話する時間を設けました。
二つ目は共通の目標を再確認するファシリテーションを行うことです。「何のためにこのセミナーを成功させたいのか」という根本的な目的に立ち返るよう、対話の方向性を常に調整しました。

こうした粘り強いコミュニケーションと対話を通じて、メンバーの相互理解を深め、最終的には「参加者全員が主体的に学べるセミナー」という共通のゴールに向かってチームを一つにまとめることができました。その結果、セミナーは大きな成功を収め、今でもメンバーとは国境を越えた友情を築いています。

この経験で培った、多様な人々を巻き込み、共通の目標達成に導く力を活かし、貴社でも様々なステークホルダーと協働しながら、社会課題の解決に貢献したいと考えております。

自己PRをさらに強化するなら「長期インターン」がおすすめ

説得力のある自己PRを作成するには、何よりも「実務経験」が鍵になります。なぜなら、アルバイトやサークル活動では得られない、より具体的で専門的なスキルや経験が、自己PRの説得力を格段に高めてくれるからです。

そこでおすすめしたいのが、長期インターンシップです。長期インターンでは、数ヶ月から1年以上にわたって企業の一員として働き、ビジネスの現場で通用するスキルを身につけることができます。

例えば、

・マーケティング職のインターン:データ分析やSNS運用を通じて、企画力や実行力をアピールできる。
・営業職のインターン:顧客へのヒアリングや提案を通して、課題解決力やコミュニケーション能力をアピールできる。

といったように、具体的な成果を伴うエピソードが自己PRのネタになります。

長期インターンに参加することで、ガクチカと自己PRを同時に、かつより説得力のある形で充実させることが可能です。


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