エントリーシートに「長所」をどう書くか?|評価される書き方完全ガイド!言い換え一覧・例文・見つけ方まで

「エントリーシート(ES)の長所、何を書けばいいかわからない…」 「『明るい』『真面目』といったありきたりな言葉で、本当に評価されるの?」

就活を始めたばかりの学生にとって、ESの「長所」欄は最初の難関です。 しかし、ここで悩む必要はありません。実は、企業が求めているのは「誰も持っていない特別な才能」ではないからです。

重要なのは、「あなたの持ち味を、企業が『欲しい』と思える言葉に変換して伝えること」。

この記事では、人事がESで見ている評価ポイントの解説から、あなたの性格をビジネス仕様に変える「完全版・言い換えリスト」、そして迷ったときの見つけ方までを徹底解説します。

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なぜ企業はESで「長所」を聞くのか?

企業が長所を聞く理由はシンプルです。それは、「当社で活躍できる人材か?」を見極めるためです。 具体的には、以下の2つの要素を探っています。

① 仕事を頑張れる・成果を出せる能力があるか(スキル・経験)

これは、ビジネスにおいて最も重要視される「活躍の再現性」を確認するための指標です。

企業はボランティア団体ではないため、あなたを採用することで利益を生み出してほしいと考えています。しかし、実績のない新卒採用においては「本当に活躍できるか」が未知数です。 そこで判断材料になるのが過去の経験です。

【学生の視点】: 「サークルの大会で優勝しました!」(結果だけを見がち)
【企業の視点】: 「それはたまたま運が良かっただけ?それとも勝つための論理的な工夫(=長所)があったから? もし工夫があったなら、うちの会社で仕事をする時も同じように工夫して成果を出してくれそうだ」

このように、過去の成功体験が「まぐれ」ではなく、あなたの長所(能力)による必然的な結果であることを証明できれば、企業は「入社後も同じように活躍してくれる(=再現性がある)」と安心して採用できるのです。

② 会社の社風・文化と相性が良いか(人柄・価値観)

能力がいかに高くても、組織のカルチャーに合わなければ、早期離職やチームワークの乱れに繋がります。これを防ぐための「マッチング(相性診断)」です。

長所に「良い・悪い」の絶対的な正解はありません。あるのは「合う・合わない」だけです。

【スピード重視のベンチャー企業】: 「石橋を叩いて渡る慎重さ」は、「行動が遅い」と判断されるリスクがあります。
【ミスが許されない金融事務職】: 「とりあえずやってみる行動力」は、「危なっかしくて仕事を任せられない」と思われるかもしれません。

企業はESの長所欄を通じて、「この学生はうちの先輩社員と馬が合いそうか」「会社の目指す方向性と価値観が一致しているか」を確認しています。 だからこそ、嘘をついて自分を良く見せるのではなく、「その企業の社風にフィットする自分の長所」を選んで伝える戦略が必要なのです。

企業が「欲しい」と思う長所とは?

では、具体的にどのような長所が好まれるのでしょうか。「スキル面(共通の正解)」と「人柄面(相性)」に分けて解説します。

【スキル・経験面】多くの企業で共通して評価される4つの柱

業界・職種を問わず、ビジネスパーソンとして歓迎される「基礎能力」です。

行動力/実行力/やり切る力 机上の空論で終わらせず、目標に向かって実際に体を動かし、形にする力。
粘り強さ/忍耐力 困難や壁にぶつかってもすぐに投げ出さず、長期的な視点で努力を継続できる力。
論理的思考力/課題解決能力  感情論ではなく、事実やデータに基づいて問題の原因を特定し、解決策を導き出す「頭のキレ」。
協調性/傾聴力 異なる意見を持つ他者と円滑にコミュニケーションを取り、組織としての成果を最大化する力。

【人柄・考え方面】企業によって評価が分かれるポイント

こちらは「正解」がありません。志望する企業のタイプに合わせて、自分の手持ちのカード(長所)を使い分ける必要があります。

●Aタイプ(ベンチャー・成果主義など) ・個人プレーで突き抜ける力 ・まず動いてから考える(スピード重視) ・結果のためなら多少の無理も辞さない
●Bタイプ(大手・伝統的企業・公務員など) ・チームプレーで和を尊ぶ力 ・じっくり考えてから動く(確実性重視) ・持続性を考え、無理なく着実に進める

★ポイント 自分の長所が、志望企業の「欲しい人物像(AかBか)」とズレていないか確認しましょう。例えば、スピード重視のベンチャー企業に「慎重さ」をアピールしても、「行動が遅そう」と逆効果になるリスクがあります。

そのままでは伝わらない!長所の「ビジネス言い換え」活用術

学生が使いがちな「優しい」「真面目」といった日常会話の言葉は、ビジネスの現場では「で、それが仕事にどう役立つの?」と思われてしまいがちです。 そこで長所はビジネス文脈にあわせて翻訳して伝えることが必要です。

あなたの長所を「仕事で使える武器」として伝えるための、詳細な言い換えリストを紹介します。

① 行動・実行系の長所(「成果に向かって動ける」ことを伝える)

単に「元気がある」「動ける」だけでなく、どのようなモチベーションやスタイルで行動できるかを言語化します。

・とりあえずやってみる / フットワークが軽い  → 行動力 / スピード感 / 推進力 / 機動力
・負けず嫌い / 諦めない / 根性がある  → 粘り強さ / 達成意欲 / グリット(やり抜く力) / ストレス耐性
・責任感が強い / 最後までやる  → 当事者意識 / オーナーシップ / 完遂力 / 責任遂行能力
・好奇心が旺盛 / 新しいもの好き  → 探究心 / チャレンジ精神 / 学習意欲 / 情報感度
・真面目にコツコツやる / ルールを守る  → 継続力 / 規律性 / 誠実性 / 堅実さ
・テキパキしている / せっかち  → 業務遂行能力 / スピード意識 / タイムマネジメント能力

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② 思考・課題解決系の長所(「考え抜いて改善できる」ことを伝える)

「頭が良い」だけでなく、リスクへの配慮や創造性など、思考の「質」を伝えます。

・計画を立てるのが好き / 準備をしっかりする  → 計画性 / タスク管理能力 / リスク管理能力 / 先読み力
・工夫するのが好き / アイデアマン  → 課題解決能力 / 改善力 / 創造性 / 企画力
・冷静だねと言われる / 一歩引いて見ている  → 論理的思考力 / 状況把握能力 / 客観性 / 分析力
・効率よくやるのが得意 / 無駄が嫌い  → 生産性への意識 / 仕組み化する力 / 業務改善能力
・心配性 / 慎重すぎる  → リスクヘッジ能力 / 正確性 / 緻密さ / 危機管理能力
・凝り性 / 納得するまで調べる  → 情報収集能力 / 深耕力 / 専門性の追求 / クリティカルシンキング

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③ 対人・組織系の長所(「組織でうまくやれる」ことを伝える)

「仲が良い」だけでなく、交渉、指導、調整など、ビジネス上の人間関係構築力を示します。

・誰とでも仲良くなれる / 人見知りしない  → 関係構築力 / 親和性 / コミュニケーション能力 / 新規開拓力
・聞き上手 / 相談される  → 傾聴力 / ヒアリング能力 / 信頼構築力 / 顧客志向
・場の空気を読む / 間を取り持つ  → 調整力 / 状況判断力 / チームワーク / 折衝力(交渉力)
・人を引っ張るのが好き / 仕切りたがり  → リーダーシップ / 統率力 / 巻き込む力 / 主体性
・世話好き / 人に教えるのが得意  → マネジメント適性 / 後輩指導力 / コーチング能力 / ホスピタリティ
・縁の下の力持ち / サポートするのが好き  → 献身性 / 支援力 / フォロワーシップ / 組織貢献意欲
・嘘をつかない / 正直  → 誠実さ / 高い倫理観(コンプライアンス意識) / 信頼性

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「自分の長所が分からない…」長所を見つける3つのステップ

「言い換えリストを見ても、自分には特に誇れるものがない」と感じる方も多いかもしれません。 しかし、長所は特別な経験から生まれるわけではありません。日々の生活の中での「行動パターン」や「無意識の強み」を深掘りすることで必ず見つかります。

Step 1. これまでの経験を振り返る

まずは、大学生活や高校時代に「頑張った」こと、あるいは「周りから評価された」ことをリストアップしましょう。

アルバイト:顧客対応で気をつけたこと、売上向上に貢献した工夫
サークル/部活動:チームをまとめるために実行したこと、大会に向けた努力
学業:苦手な科目を克服するために使った独自の勉強法、ゼミでの発表
友人関係:グループで意見が分かれた時の仲裁役、友人の悩みにどう接したか

このとき、「結果がどうだったか」よりも、「自分がどんな役割を果たしたか」「どんな行動をしたか」に焦点を当てて書き出すのがポイントです。

Step 2. 行動・感情の「源泉」を深掘りする

リストアップした具体的な行動に対し、「なぜそうしたのか?」「なぜそのとき楽しかったり、やりがいを感じたのか?」と問いかけを繰り返します。これが「源泉」の深掘りです。

【源泉を深掘る質問と見えてくる長所】
●源泉となる経験:アルバイトで売上UPのためPOP作成を自主的に行った
●深掘る質問:
→なぜわざわざ自主的にやったのか?
→現状に満足せず、改善点を見つける力(課題解決能力)

●源泉となる経験:サークルで意見の対立があったとき、両者の話を聞いて折衷案を出した
●深掘る質問:
→なぜ自分が仲介役になろうと思ったのか?
→集団の目標達成を重視し、円滑な人間関係を築ける(協調性/傾聴力)

Step 3. 強みを「ビジネス用語」に変換する

深掘りして見えてきたあなたの特性を、企業で通用する「ビジネスに活きる言葉」に変換します。

【自分の言葉での特性からビジネス用語での長所への変換例】
人見知りしない/誰とでも話せる→高いコミュニケーション能力/親和性
一度決めたことは最後までやる→責任感/粘り強さ
計画を立ててから実行する→計画性/論理的思考力

この記事で紹介した言い換え表も参考にしてください。

人事に響くESの「長所」の具体的な書き方:3ステップ構成

長所を特定できたら、次はそれを論理的で説得力のある文章に落とし込む作業です。人事の心に響くESは、必ず以下の3ステップで構成されています。

Step 1. 結論(長所)を最初に述べる

最初に「私の長所は〇〇です」と断言し、結論から書き出します。
人事は多くのESを短時間で読むため、最初に結論が書かれていることであなたの最も伝えたいメッセージがストレートに伝わり、「この後のエピソードでその長所が証明されるのだろう」という期待を持って読み進めてもらえます。

(例)「私の長所は、目標達成に向けた粘り強さと実行力です。」

Step 2. 根拠となるエピソードを具体的に記述する(行動の再現性を示す)

長所を裏付ける具体的なエピソードを記述します。ここで重要なのは、長所を発揮したあなたの具体的な行動(アクション)と、その結果を明確にすることです。

【盛り込むべき要素】
状況(いつ・どこで・何を):どんな背景で長所を発揮する機会があったか
目標:あなたは何を目指していたのか
行動:目標達成のために、長所を活かしてあなたが具体的に何をしたか
結果:その行動によって得られた成果(できれば数字や固有名詞を交えて具体的に)

(例)「大学2年次、所属するテニスサークルの新歓イベントで集客が伸び悩んだ際、私は幹部として『例年の1.5倍の入会者数』を目標に掲げました。これまでのSNS発信をデータ分析し、ターゲット層である1年生の行動時間に合わせて投稿時間を変更し、さらにサークル外の他大学のサークルと合同イベントを企画・実行しました。その結果、目標を上回る『例年の1.8倍の入会者数』を達成しました。」

Step 3. 入社後どう貢献できるかを伝える

最後に、その長所が志望企業でどのように活かせるかを具体的に述べ、入社意欲と貢献意欲を伝えます。
あなたの長所が入社後の業務で発揮され、企業にとってメリットとなることを想像させることができれば、ES突破の可能性は格段に上がります。

(例)「この粘り強さと実行力は、貴社の営業職としてお客様の潜在的な課題を掘り起こし、最後まで粘り強く提案し続ける姿勢に活かせると確信しております。入社後も目標達成に向けて尽力いたします。」

「書ける長所が見つからない」それなら今から作ればいい|長期インターン

ここまで読んでも、「やっぱり自分にはビジネスで通用するような、強い長所なんてない」と不安を感じている方もいるかもしれません。

もしそうなら、無理に過去の記憶を捏造するよりも、今から「語れる経験」を作りに行くのが一番の近道です。その最適な手段が「長期インターン」です。

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長期インターンが長所を見つけるのに最適な理由

1. 「ビジネスの共通解」であるスキルが身につく アルバイトとは異なり、社員と同じ責任感で「営業」や「マーケティング」の実務を行います。結果を出すために試行錯誤することで、ESで高く評価される「行動力」「課題解決能力」「粘り強さ」が、実体験として自分のものになります。

2. 「プロからの評価」が自信になる 現場の社員や社長から「君の〇〇なところは仕事ですごく助かるよ」とフィードバックをもらうことで、自分では気づかなかった「客観的な長所」を発見できます。これは、自己分析だけで考えた長所よりも遥かに説得力を持ちます。

3. そのまま「ガクチカ」になる 長期インターンで得た「長所」と「成果」は、そのままエントリーシートの「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」の強力なネタになります。

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