【例文あり】エントリーシートで「責任感の強さ」を魅力的に伝えるには?評価されるアピール方法と注意点

エントリーシートの自己PRで「責任感の強さ」をアピールしたいという方は多いと思います。「責任感の強さ」は「任された仕事に対して成果が出るまで粘り強く取り組み、必要に応じて周囲を巻き込みながら課題を解決できる力」に直結するため、企業にとっても魅力的です。

一方でただ「責任感が強い」と書いても、抽象的・主観的になりやすく、内容次第では評価されにくいことがあります。ですから書き方を工夫しなければいけません。

そこで本記事では、ビジネス文脈における責任感を6つの要素に分解し、ESで的確に伝えるための書き方ステップ、押さえるべき4つのポイント、例文、NG例まで徹底解説します。あなたの責任感を、入社後の活躍につながる“再現性のある強み”として魅力的に伝えましょう。

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ビジネス文脈における「責任感が強い」とは

就活のエントリーシートでは、「自分の強みは責任感の強さです」と書く学生が非常に多いです。
一方で、企業の人事担当者からすると、「責任感が強い」という言葉だけでは、ビジネスの現場でどのように活躍してくれるのかが見えづらい、というのも本音です。

そこで本記事では、まずビジネス文脈における「責任感が強い」を、次のように定義します。
「責任感が強い」=任された仕事に対して、成果を出すまで粘り強く取り組み、周囲を巻き込みながら課題を解決できる能力

単に「最後までやり切る」という根性論だけではなく、
・目標にきちんと向き合い
・自分の頭で考え
・必要に応じて人を巻き込みながら成果に到達する
という、一連のプロセスが伴ってこそ、企業が評価する「責任感」といえます。

この能力は、さらに細かく分解すると、以下の6つの要素から成り立っています。

「責任感が強い」を構成する6つの要素

①目標達成意識:一つの目標を定め、それに向かって行動する意識

ビジネスの現場では、常に「売上◯%アップ」「◯件受注」「◯人動員」といった目標があります。責任感の強さは、「与えられた目標を、自分ごととしてどれだけ意識できるか」によって、大きく左右されます。

②主体性・オーナーシップ:自分が仕事を動かすのだという意識

同じ業務でも、「言われたからやる」のか、「自分がこの仕事を成功させる」という意識で取り組むのかで、行動の質は大きく変わります。主体的に課題を見つけたり、改善案を提案したりできる人は、企業から見て「責任感が強い」と評価されやすくなります。

③計画力・戦略設計力:目標達成に向けて、必要な筋道を立てる能力

責任感とは、がむしゃらに頑張ることではありません。限られた時間・リソースの中で、何を優先し、どの順番で進めるのか。目標達成までの道筋を論理的に組み立てる力も、「責任感」の重要な構成要素です。

④粘り強さ:自分が立てた計画や戦略を目標達成まで続ける能力

どれだけ良い計画を立てても、実行が続かなければ成果にはつながりません。途中でうまくいかない時期や、数字が伸びないタイミングでも、投げ出さずに愚直に行動し続ける粘り強さが求められます。

⑤困難対処能力:予想外のトラブルから逃げず冷静かつ柔軟に立ち向かう能力

計画通りに物事が進むことは、むしろ稀です。メンバーの離脱、顧客からのクレーム、スケジュールの遅延など、想定外の出来事に対して、感情的にならず原因を分析し、打ち手を考えられるかどうかも、責任感の一部です。

⑥巻き込み力:目標達成のために必要に応じて適切に周囲の力を借りる力

大きな成果は、一人の頑張りだけでは実現できません。状況に応じて、先輩・後輩・同期、時には外部の人も巻き込みながら、チームとしてゴールに向かうことが求められます。「全部自分でやる」のではなく、「必要な人を動かして成果を出す」ことが、ビジネスにおける責任感です。

上記のような要素を直接的に主張できればOK

エントリーシートで「責任感が強い」とアピールする際は、上記①〜⑥の要素が、エピソードのどこに現れているかを意識しながら書くことが大切です。

本音を言えば、①〜⑥すべての要素を一つのエピソードの中に盛り込めるのが理想です。しかし、文字数の制限もあるため、現実的には
・自分の経験の中で特に強く表れている要素を、①~⑥のなかからいくつか掻い摘んでアピールする
・ただし、「骨格」となる情報だけは絶対に外さない
という方針で書くのがおすすめです。

絶対に外してはいけない4つのポイント

最低限この4つさえ押さえておけば、上記6つの要素(目標達成意識・主体性・計画力・粘り強さ・困難対処・巻き込み力)を自然に表現しやすくなるという「骨格」があります。

それが、以下の4ポイントです。

a)設定した/された目標
責任感は「目標に対してどう向き合ったか」で初めて評価されます。目標が明確であるほど、①目標達成意識 を示しやすくなり、その後の行動にも一貫性が生まれます。

b)その目標達成のために、自分で考えた取り組み
ここが最も重要なポイントです。
責任感は「やらされたこと」ではなく、「自分で考えて決めた行動」の部分に強く表れます。このパートを書くことで、②主体性・オーナーシップ、③計画力が自然に伝わります。

c)その取り組みをどのように行動に移し、継続したか
責任感は「思いつき」ではなく、「行動」と「継続」の中で証明されます。ここを書くことで、④粘り強さ や ⑥巻き込み力 が自然ににじみ出ます。

d)どの段階までやりきったか(結果)
結果は数字でなくても構いません。「どこまでやりきったか」を書くことで、⑤困難対処能力や成果へのコミット姿勢が明確になります。

なぜこの4つが重要なのか?

理由はシンプルで、この4項目に沿って自分の経験を整理すると、責任感を構成する①〜⑥の要素を“自然と”主張できるからです。

図式化すると
a)目標を書く → ①目標達成意識 が伝わる
b)自分で考えた取り組みを書く → ②主体性・オーナーシップ、③計画力
c)行動と継続を書く → ④粘り強さ、⑥巻き込み力
d)結果を書く → ⑤困難対処能力、成果へのコミット姿勢
といった感じです。このように段階を踏むことで「責任感を構成する6つの要素」が、意識せずとも文章の中に織り込まれます。

エントリーシートの効果的な書き方(7ステップ)

ここからは、実際にエントリーシートで「責任感が強い」と書くときの流れを、7つのステップに分けて解説します。

ステップ1:自分なりに責任感を発揮したと思えるエピソードを1つに決める

エントリーシートで「責任感が強い」を伝えるとき、最初の重要ステップはエピソードを1つに絞ることです。複数の経験を詰め込むと話が散漫になり、あなたの責任感がどの場面でどう発揮されたのかが読み手に伝わりづらくなります。

企業の人事は、「この学生は、どの状況で、どれくらいの責任を負い、どう行動したのか?」を知りたいです。だからこそ、最も責任の重さを感じた瞬間を一つだけ選ぶことが、文章の説得力を高める近道です。

▼候補になりやすい経験の例
・アルバイトで任されたポジションー例):シフトリーダー、売上管理、クレーム対応の窓口など
・サークルや部活での役職・担当-例):代表、渉外、イベント責任者、広報班のリーダーなど
・学園祭・イベント・コンテストの運営ー例):予算管理、集客担当、ステージ企画の統括など
・ゼミ・研究・卒論での取り組みー例):研究プロジェクトの主担当、分析部分のリーダー、学会発表の責任者など

▼エピソード選びの判断基準

次の問いに「YES」がつく経験であれば、責任感を語る核たるエピソードとして使いやすくなります。

・自分に明確な役割や責任があったか?
・その場の成果に、自分の行動が影響していたか?
・プレッシャーを感じる場面だったか?
・自分が動かないと物事が進まない状態だったか?
・途中で投げ出せない理由が、自分の中にあったか?

特に、「自分がやらないと回らない状況だった」という感覚があったエピソードは、責任感を語る文章と非常に相性が良く、読み手の共感も得られます。

ステップ2:そのエピソードで設定した目標とその設定の理由(動機)を説明する

主張するエピソードが決まったら、次は選考担当者に伝わりやすい形式に整える作業を進めます。

責任感の強さを主張するためには、まずどのような場面で責任感を発揮したかを述べねばなりません。ですからエピソードの冒頭で必ず
・どんな目標があったのか(What)
・なぜその目標が重要だったのか(Why)
の2点を明確に示しましょう。

▼書くべきポイント
①「どんな目標があったのか」を簡潔に書く
ここでは事実をシンプルに述べます。数字がある場合は数字を使うと責任範囲の大きさが伝わりやすくなります。
例:
「月間売上◯万円を達成すること」
「学園祭で来場者◯人を集めること」
「期限内に◯本のデータ分析を完了させること」
「イベント参加率を前年より20%上げること」

②「なぜその目標が重要だったのか」を説明する
次にその目標がなぜ大事だったかを自分の言葉で説明します。
例:
「売上達成は店舗の存続に関わる重要指標だったため」
「自分が失敗すると、他の班の努力が無駄になると感じたため」
「イベントの成功が、外部団体との次年度の提携に直結していたため」
「研究テーマは自分で選んだもので、途中で投げ出したくなかったため」

ステップ3:その目標達成のために立てた計画/戦略を説明する

次に、ステップ2で説明した目標を達成するために、当初立てた計画や戦略を説明します。
このときには、成果を出すために、自分なりにどのような筋道を考えたかを論理的に主張しましょう。

▼書くべきポイント
①現状分析:何が問題だったのか、どのような課題に取り組むことになったか
責任感を発揮した行動の、前提となる課題を明確に書きます。
例:
「ディナー帯の客単価が他の時間帯より低かった」
「イベント担当者のタスク量に偏りがあった」
「研究データが不足しており、現行の手法では検証が困難だった」

②戦略・計画:どんなアプローチを選んだのか?
①で定義した課題に、当初どのような解決策を考えて実行したかをできるかぎりわかりやすく書きます。
例:
「時間帯ごとの売れ筋を分析し、声かけトークを標準化した」
「メンバーの得意分野をヒアリングし、タスクを再配置した」
「海外論文を基に、別の研究手法を組み合わせる戦略を選んだ」

ステップ4:その計画/戦略を実行する際に感じた「しんどさ」「葛藤」を書く

初期にたてた計画や戦略は往々にしてその通り進みません。そのなかで「しんどさ」「葛藤」を感じたと思います。この「しんどさ」「葛藤」をしっかり書くことで
・どんな壁に直面したのか?
・そのとき何を感じ、どう判断したのか?
・逃げずに向き合った姿勢はどこにあったのか?
という部分が企業に伝わりますから、できるかぎり具体的に書きましょう。

▼書くべきポイント
① 計画通りにいかなかった具体的な事実を書く
抽象的に「大変だった」ではなく、困難の中身をできる限り具体的に書きます。
例:
「メンバーの声かけが徹底されず、想定した数値が出なかった」
「タスク分担しても、特定メンバーの負荷が減らなかった」
「読み込んだ海外論文の手法が、自分の研究環境では使えなかった」
「途中でモチベーションが落ち、計画を継続するのが精神的に苦しかった」

② 心理的な揺れ(葛藤)を正直に書く
責任を放棄したくなるような心理的な揺れを書いて、「それでもなおやり切った」という精神の強さをアピールする伏線にします。
例:
「自分の計画に自信が持てなくなった」
「周囲の協力が得られず、孤立感を覚えた」
「成果が出ず、焦りとプレッシャーを感じた」
「諦めた方が楽だと思った瞬間もあった」

ステップ5:その「しんどさ」「葛藤」を解消するために、どんなことをしたかを書く

「しんどさ」「葛藤」を描いたら、次はそれにどのように立ち向かって踏ん張ったかを書きます。ここが「責任感の強さ」をアピールするうえで最も重要な部分です。

▼書くべきポイント
① 思考:まず状況をどう整理したか
「しんどさ」「葛藤」の原因を冷静に紐解いて、その課題の所在を明らかにするまでの過程を書きます。
例:
「なぜ数値が伸びないのかを分解し、要因を特定した」
「メンバーが疲弊している原因をヒアリングして把握した」
「研究手法に無理があった点を再検証した」

② 行動:そのうえで、どんな具体的な手を打ったか
①で見えた課題に対し、自分で考えて実行した解決策を書きます。

例:
他人の力を借りた場合
 ・「経験豊富な先輩に相談し、改善策のヒントをもらった」
 ・「担当外のメンバーを巻き込み、タスクを再分担した」
 ・「モチベーションが下がっているメンバーと1on1を行った」

戦略を変更した場合
 ・「声かけ方法を“全員で同一化”する方針から、“個々の得意を活かす”方法に切り替えた」
 ・「イベント集客の手段をSNS中心に再設計した」
 ・「研究データの収集方法を変更し、別の手法を導入した」

目標を適切に修正した場合
 ・「期限内達成の確度を高めるため、短期的なKPIを設定し直した」
 ・「段階的に成果を積み上げるスケジュールに変更した」

③ 継続:その取り組みをどのように続けたのか
②を述べたうえで、それをどの程度粘り強く続けて、課題解決に導いたかを書きます。
例:
「毎日の記録を続け、改善案を都度反映した」
「週1ミーティングを習慣化し、改善状況を可視化した」
「一度決めた新しい戦略を2週間続け、データを検証した」

ステップ6:取り組んだ結果を書く

ステップ3、ならびにステップ5で説明した自分なりの課題解決策を実行し続けた結果、その課題がどのように改善されたかを明確に示します。

▼結果を書く際のポイント
① 数字(定量的成果)がある場合は必ず使う
数字を適切に使うことで、皆さんの頑張りがイメージしやすくなります。もし課題の改善結果が数字で表せるのであれば積極的に使いましょう。
例:
「売上目標を105%達成した」
「イベント参加者が前年比120%になった」
「ドリンク注文率が15%向上した」
「論文の検証実験が予定より2週間早く完了した」

② 数字がなくても、“事実ベースの変化”を描けば十分評価される
一方でやみくもに数字を使えばいいというものでもありません。数字を用いなくともその課題改善の様子を具体的に書ければ、責任感の強さは十分伝わります。
例:
「メンバー全員が担当業務を期限内に完了できるようになった」
「企画が予定通り実行され、外部団体から高評価を得た」
「教授から、研究の着眼点と粘り強さについて評価をいただいた」
「組織内でのコミュニケーションが改善され、作業効率が上がった」

③ 自分の考えや行動が作用した部分を明確に書く
ステップ3、ステップ5で説明した、自分の考えと行動が結局何に寄与したのか、どのような部分に効いたのかをできる限り詳しく書きましょう。
例:
「声かけトークのマニュアル化とロープレの徹底により、注文率が向上した」
「タスク再配置と進捗共有の仕組みによって、企画を中止せず開催できた」
「独自の研究手法を組み合わせたことで、仮説を裏付けるデータを取得できた」

ステップ7:一連の過程で得た学びや教訓、身に付いた自信を書き、入社後にどう活かせるかを端的に述べる

ステップ1からステップ6までで粘り強く課題の改善に向けて責任感を持って考え、行動し続けてきた様子を書いてきました。最後はこの過程で得た学びや教訓、身に付いた自信を整理し、それを入社後再現できるということを示しましょう。

▼書くべきポイント
① 経験から得た“学び・教訓”を書く
自分の責任感の強さを裏付ける学びや教訓を書き、それが再現性あるものであるという根拠にします。
例:
「目標を達成するためには、初期段階の課題分析が最も重要だと学んだ」
「自分だけで抱えるのではなく、適切に周囲を巻き込むことで成果の質が上がると実感した」
「困難に直面したときこそ、目的に立ち返ることで行動が継続できると気づいた」

② その学びが、あなたの今後の行動にどうつながるかを書く
①を踏まえて、その学びを入社後に再現する意欲があることを明示します。
例:
「課題の全体像を把握し、最適な戦略を設計する姿勢を今後も徹底したい」
「メンバーの状況を観察し、必要に応じてサポートや巻き込みを行うことを意識していく」
「計画がうまくいかないときも、事実に基づいて改善策を考える姿勢を続ける」

「責任感の強さ」をアピールする3つの例文

例文1:アルバイト経験(目標達成へのコミットメント)

私の強みは、目標達成に向けた強いコミットメント能力です。
大学2年時の飲食店アルバイトで、シフトリーダーを務め、店舗全体の売上目標達成に責任を負いました。
当時、閑散期の目標達成率が80%台で定着していました。私は、単に客待ちをするのではなく、「売上最大化の責任はリーダーにある」と捉え、時間帯ごとのオーダー傾向と顧客単価のデータを分析しました。その結果、ディナー帯でのドリンク追加注文が少ないことを発見し、全員にマニュアル通りの声かけを徹底させるだけでなく、「おすすめドリンクの魅力を伝えるトークスクリプト」を作成・共有し、メンバー全員にロープレを義務付けました。
この取り組みを2ヶ月間継続した結果、ディナー帯のドリンク注文率が15%向上し、閑散期にも関わらず、店舗として売上目標を105%で達成することができました。この、データに基づき成果にこだわる責任感は、貴社の営業職においても、粘り強く目標を達成し、事業に貢献できると確信しております。

例文2:サークル・団体活動経験(組織維持への責任)

私の強みは、組織やチームの目標を最後まで遂行する粘り強さです。
所属する100人規模の国際交流サークルで、イベント企画の統括リーダーを務めた経験です。
イベント開催1ヶ月前、参加予定だった主要メンバーの半数以上が学業との両立困難を理由に離脱を表明しました。このままではイベントが中止になり、参加を楽しみにしてくれていた他のメンバーや外部協力団体への責任を果たせないと考え、私が企画全体を立て直す責任を負いました。残ったメンバーの得意分野を丁寧にヒアリングし、タスクの細分化と権限の委譲を徹底するとともに、モチベーション低下を防ぐため、毎日の進捗報告と「頑張りの可視化」を目的とした短時間のミーティングを導入し、責任感を共有しました。
結果、当初の予定通りにイベントを開催でき、参加者からの満足度も過去最高を記録しました。この危機的状況で全体をまとめ上げ、粘り強く責任を全うする力は、予期せぬトラブルにも冷静に対応し、チームで成果を出す貴社の環境で活かせると考えます。

例文3:学業・研究活動経験(学問的探究への責任)

私の強みは、与えられた研究テーマを当事者意識を持って深く掘り下げ、結果を導く探究心です。
子の強みは大学のゼミで取り組んだ「〇〇(研究テーマ)における△△の分析」に関する卒業論文執筆の経験で発揮されました。
研究を始めた当初、先行研究のデータが少なく、仮説の検証に必要な実験が難航しました。教授からはテーマの変更も提案されましたが、「自分で選んだテーマを最後までやり遂げたい」という学問的な責任感から、テーマを継続して研究することを決意しました。私は、データ不足を補うため、関連分野の海外論文を100本以上読み込み、その中から既存の実験手法を応用・組み合わせることで、日本国内では未実施だった独自の検証アプローチを確立しました。
その結果、当初の仮説をデータで裏付けることに成功し、ゼミ内での発表でも高い評価を得ることができました。この困難に直面しても逃げずに、独自の工夫で結果を導き出す責任感は、貴社においても、深く粘り強く課題に向き合う姿勢として貢献できると考えています。

「責任感が強い」をアピールする際の注意点とNGな伝え方

最後に、「責任感が強い」という強みは便利な言葉だからこそ、伝え方を間違えるとマイナス評価にもつながりかねません。ここでは、特に注意したい4つのNGパターンを紹介します。

NG①当たり前のことを堂々とアピールしてしまう

「遅刻せず行きました」「新人の子にやり方を教えてあげました」といった、社会人として当たり前のことを、あたかも大きな成果のように書いてしまうケースは意外と多いです。

もちろん、基本的な姿勢として「当たり前のことを当たり前にやる」というのはとても大切です。しかし、エントリーシートでは、
・その行動を通じて、何を工夫したのか
・どのように周囲や結果に良い影響を与えたのか
まで書けて初めて、評価される経験となります。

当たり前のことを堂々とアピールしてしまう人の多くは、その過程で自分が何を考えたか、どういう心理状況だったかという思考の部分を軽視しています。上記のステップ2とステップ4を意識してみてください。

NG②極端な自己犠牲で解決したことを書いてしまう

「徹夜して乗り切りました」「休みをすべて返上しました」といった自己犠牲エピソードは、一見すると頑張りをアピールできそうです。しかし、企業によっては
・計画性がない
・無理をして体調を崩すタイプかもしれない
・長期的に安定して成果を出せなさそう
といった懸念につながることもあります。

重要なのは、「どれだけ無理をしたか」ではなく、
・どう優先順位を整理したか
・どう周囲を巻き込み、負担を分散したか
・どうしても必要な場面で、どのように踏ん張ったか
といった「考え方」と「工夫」の部分です。

極端な自己犠牲で解決したことを書いてしまうひとは、上記のステップ5のやり方を取り違えている場合が多いです。この点もう一度考えてみましょう。

NG③主体性がない/自分の考えがない

「いわれたことをきちっとやりました」だけでは、主体性が弱く見えてしまいます。実際には、「いわれたことをきちっとやる」こと自体は、社会人として非常に重要です。そのうえで、
・なぜそれをきちっとやろうと思ったのか
・求められている以上に、自分なりに工夫した点はなかったか
をセットで伝えることで、「責任感が強い=自分で考えて動ける人」という印象につながります。

この場合、ステップ2に時間をかけて、自分のなかでの動機をできる限り長い言葉で説明してみてください。そうすると、自分が思っている以上に主体性・自分の考えが潜んでいたことに気づけます。

NG④話が独りよがり:「全部自分で抱えてやりました」という表現をしてしまう

「全部自分で抱えてやりました」という表現は、一見すると責任感が強そうに聞こえますが、NG②同様、多くの企業ではむしろマイナス評価になりやすいです。
・人に仕事を任せられないのではないか
・チームで仕事を進めるイメージが持てない
・将来、マネジメントポジションになったときに行き詰まりそう
といった不安を与えてしまうからです。

責任感をアピールする際は、
・必要に応じて周囲に相談したこと
・協力を得るために、どのような働きかけをしたか
・チーム全体として成果を出すために、どう動いたか
といった「巻き込み力」をセットで語ることで、よりビジネスで信頼できる「責任感」として伝えられます。

長期インターンは「責任感の強さ」を語るエピソードの説得力を高める

多くの学生がアルバイトやサークルのエピソードを書く中で、あなたの「責任感」を際立たせる最も効果的な方法の一つが、長期インターンの経験を活用することです。

長期インターンは、通常のアルバイトとは異なり、学生の立場を超えて企業の目標達成にコミットする機会です。この経験は、あなたの「責任感」にビジネス的なリアリティを与えます。
たとえば、「サークルの予算管理の責任者でした」という経験も素晴らしいですが、「長期インターンで新規事業のマーケティングを担当し、予算内で顧客獲得単価を20%改善するという責任を果たしました」という経験は、話の重みが全く異なります。

長期インターンでビジネスにコミットした経験は、あなたの「責任感」が「入社後すぐに活躍できる、成果に直結する能力」であることの最も強力な証明となります。これは、面接で「あなたの責任感は、どのように弊社の事業に活かせますか?」と問われた際に、他の学生にはできない具体的な事例で答えられることを意味します。


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