就活のESで最も差がつくのが「志望動機」。
しかし、「何を書けばいいのか分からない」「やりたいことが見つからない」と悩む学生は多いものです。
この記事では、企業が志望動機を見る意図から、通過率を上げるための4ステップ構成、読みやすく伝える文章のコツまでを徹底解説します。さらに、志望動機のネタとなるリアルな経験を積む方法として、長期インターンの活用法も紹介します。
▼目次
企業がESで必ず「志望動機」を質問するのは、「思い」と「考え方」から、将来どれだけ成長しそうかを見極めるためです。
学生の段階で完璧なスキルを持つ人はいません。だからこそ企業は、志望動機を通じてその人の努力を続けられる素質や会社との相性を慎重に見ています。
採用とは、企業にとって一種の「投資」です。
時間やコストをかけて採用した人が、早期に辞めてしまえば損失になります。そのため企業は、入社後にしっかり成長し、長く活躍できる人を見極める必要があるのです。志望動機は、その判断のための最も信頼できる材料です。
企業が特に注目しているのは、次の2つの観点です。
まず企業が見るのは、志望動機に論理的な一貫性があるかどうかです。
これは「頭の良さ」や「情報整理の力」を見る項目でもあります。
たとえば、
「なぜこの業界を選んだのか」
「なぜ数ある企業の中でこの会社なのか」
「自分のやりたいことと、会社の事業や価値観はどうつながっているのか」
こうした問いに、自分なりの筋道を持って答えられているかが重要です。
企業の事業内容や理念をしっかり調べ、「自分がどんな価値を提供できるか」を具体的に結びつけられる学生は、ビジネスでも再現性高く成果を出せる人と見なされます。
逆に、どの企業にも通じるような抽象的な志望動機(例:「社会に貢献したい」「成長したい」)では、自社への理解が浅い=志望度が低いと判断されやすくなります。
つまり企業は、「どれだけ自分たちのことを真剣に理解しようとしたか」「考えを整理できるか」といった思考力・論理性を、志望動機を通して見ているのです。
次に企業が注目しているのは、その企業と仕事への思いの強さと、その裏付けとなる経験です。
どんなに論理が整っていても、そこに「本気でやりたい」という情熱がなければ、企業の心には響きません。
採用担当者は、学生の文章からその熱量の源泉を探ろうとします。
たとえば、
・なぜその仕事をしたいと思ったのか(きっかけ)
・それにつながる過去の経験や原体験は何か
・どんな価値観を大切にして努力してきたのか
こうした背景が語られていると、「この人は思いを行動に変えてきた人だ」と伝わります。企業は、そうした「思いの再現性」を高く評価します。
なぜなら、社会人になってから直面する課題は、必ずしもスキルだけで解決できるものではないからです。
思いを持ち、自ら考え行動する力を持つ人こそ、困難を乗り越え、周囲を巻き込みながら成果を出せる。企業はそのことを経験的に知っているのです。
だからこそ、採用担当者は志望動機を通して、「この学生はどんな思いでここまで努力してきたのか」「その思いを入社後も原動力にできるか」という人としてのエネルギーを丁寧に読み取っています。
志望動機を書くときにまず意識すべきなのは、この設問が実は以下の2つの問いと同じだということです。
① 自分は何をしたいのか?(=やりたいこと・実現したいこと)
② なぜその企業でなら、それができると考えるのか?(=企業との必然性)
この2つの問いにしっかり答えられれば、どんな業界・企業でも説得力のある志望動機が書けます。
逆に、どちらかが抜けていると「浅い」「他社でも言える」と判断されてしまうのです。
では、どうように志望動機を考えればいいでしょうか?
志望動機の出発点は、「自分は何をしたいのか」を明確にすることです。
これは、単に「この業界に興味がある」といった表面的な話ではありません。「なぜ自分はそれをやりたいのか」「その考えはどんな経験から生まれたのか」まで掘り下げることで、
言葉に深みが生まれます。
そのために、次のような手順で考えてみましょう。
手順①過去の経験を3〜5個書き出す
アルバイト、サークル活動、学業、長期インターンなど、大学生活で印象に残っている経験を挙げます。
手順②「なぜそれを頑張れたのか」「どんな感情を持ったのか」を言語化する
楽しかった・悔しかった・もっと良くしたいと思った——どんな感情があったかを振り返ります。
手順③それに共通する要素を見つける
いくつかの経験に共通している価値観や思考を探します。例えば「人に喜ばれることにやりがいを感じる」「仕組みを作って効率化するのが好き」などです。
こうして見えてくる「自分らしい要素」が、やりたいこと=志望動機の核になります。
例:「アルバイトで接客マニュアルを改善した経験から、より良い仕組みをつくって人を支える仕事に興味を持った。」
このように、経験と感情をもとに言語化された「思い」は、面接官の心に強く残ります。
次に必要なのは、思いを企業の事業や理念とつなげることです。これは「なぜその企業でなければならないのか?」という問いに答えるステップです。
志望動機の中で最も評価を左右する部分なので、丁寧に進めましょう。
手順①企業研究を通じて独自性を理解する
企業の公式サイト・IR情報・採用ページ・社員インタビューなどを読み、 その企業が他社と違う点を3つほど書き出してみます。
(例:「自社開発の強み」「特定領域でのシェア」「社風・価値観」など)
手順②企業の方向性と自分の思いを照らし合わせる
ステップ1で明確にした「自分のやりたいこと」と、企業の事業・理念・ビジョンの中で重なる部分を探します。
手順③「なぜその企業でなら実現できるのか」を言語化する
他社ではなくその企業だからこそ実現できる理由を説明できるようにします。
例:「御社は〇〇の領域に強みを持ち、社会の〇〇を変えようとしています。私も長期インターンで〇〇の課題を感じており、その解決に携わりたいと考えています。」
次は、思いや考えに根拠を与える段階です。
企業は「この学生が言っていることは実際の行動に裏打ちされているか」を見ています。
強みを示すときは、次の3ステップで整理すると効果的です。
手順①自分の強みをひとつ決める
例:「課題解決力」「巻き込み力」「継続力」「分析力」など。長所というより、実際に発揮した力を意識します。
手順②具体的なエピソードで裏付ける
いつ・どこで・どんな状況で発揮したかを、行動レベルで説明します。
手順③その強みを企業の仕事にどう活かすかを述べる
自分の力が企業のどの事業・職種に貢献できるのかを具体的に示します。
例:「長期インターンでチームをまとめて新規顧客を20社開拓した経験から、御社の営業職でも課題を整理しながら成果を出せると考えています。」
このように、自分の思い × 経験 × 貢献イメージを一貫したストーリーで語ることが、「頭の良さ」と「行動の再現性」を同時に伝える方法です。
最後に、入社後にどんな形で成長し、どんな価値を生み出したいかを具体的に描きましょう。
これは企業に「この人は長期的に活躍できる」と感じてもらうためのパートです。
手順①短期(1〜3年)と中長期(5〜10年)のビジョンを分ける
最初の数年で身につけたいスキルと、将来的に担いたい役割を整理します。
手順②企業の成長方針と重ねる
企業の今後の事業戦略や新領域と自分の目標をリンクさせます。
(例:「御社が注力する〇〇事業の拡大に携わりたい」など)
手順③「どんな影響を与えたいか」を加える
自分の成長だけでなく、「顧客や社会にどう貢献したいか」まで描くと深みが増します。
例:「入社後は営業として現場を経験し、将来的にはマーケティングを通じて御社のブランド価値を高めたいです。事業を通じて〇〇業界の課題解決に貢献できる人材を目指します。」
このように行動の計画と社会への貢献をセットで語れると、採用担当者に「この人は入社後も努力を続ける」と感じさせることができます。
多くの学生が志望動機でつまずくのには、共通するパターンがあります。
もしも志望動機が書けない、選考で通過しないのであれば、次の3つの落とし穴のいずれかに該当していないか確認してみてください。
これは最も多いパターンです。
志望動機で「社会に貢献したい」「教育に関わりたい」などと書いても、その企業が実際に手がけている事業やビジネスモデルと合っていなければ、採用担当者には響きません。
企業は「うちで実現できることか?」を常に見ています。
たとえば、広告会社の志望動機に「地域教育の発展に貢献したい」と書かれても、
「うちじゃなくても良いのでは?」と感じられてしまうのです。
対策:企業理解を深め、注力事業と自分のやりたいことを接続する
・企業HPやIR資料、プレスリリースなどで「今、力を入れている事業領域」を確認する
・その事業のどの部分に「自分のやりたいこと」が重なるかを探す
・具体的に「どの仕事で」「どんな価値を生みたいのか」を書く
例:「御社が注力する新規事業開発の中で、〇〇業界の課題解決に挑戦したい」
→ 事業の方向性と個人の思いが一致しており、ズレがない
この「ズレの修正」ができると、志望動機は一気に現実味のあるストーリーになります。
もう一つの典型的なミスは、「どの会社にも通じる志望動機」になってしまうこと。
「成長できる環境で働きたい」「社会に貢献できる仕事に魅力を感じた」などの言葉は、
美しいですが、具体性と独自性がないために印象に残りません。
採用担当者が知りたいのは、
「なぜこの業界の中でもうちなのか」「なぜこの会社でなければならないのか」。
それが語られていない志望動機は、浅いと判断されてしまいます。
対策:企業独自の特徴を盛り込み、その会社にしか通用しない内容にする
・その企業にしかない強み(技術、ブランド、文化、ビジョン)を一つ具体的に挙げる
・その特徴に共感した理由や、自分の価値観との一致点を説明する
・競合企業との差を自分の言葉で整理してみる
例:「複数の広告会社を比較する中で、御社がクライアントの課題解決に最後まで伴走する姿勢に共感しました。私も長期インターンで継続的な支援を重視してきたため、その文化に強く惹かれています。」
このように、「他社ではなく御社だから」という理由を明確にすると、志望動機は一気に選ばれる文章になります。
最後の落とし穴は、「御社が好きです」で終わってしまうパターン。
たしかに、企業理念やサービスに共感することは大切です。しかし、企業が求めているのは「ファン」ではなく「仲間」——つまり、自社の成長に貢献してくれる人です。
「好き」や「憧れ」だけで終わる志望動機は、受け身の印象になってしまいます。
企業が知りたいのは、
・「あなたがその好きをどう行動に変えられるのか」
・「どんな形で自社に貢献できるのか」
という部分です。
対策:「共感」+「貢献」の両方を書く
・「なぜ好きなのか」「どんな価値観に共感したのか」を具体的に書く
・その上で、「自分のスキルや経験を活かしてこう貢献したい」と述べる
例:「学生時代から御社のサービスを利用してきました。便利さだけでなく〇〇な価値観に共感しています。今度はユーザーとしてではなく、提供する側としてその価値をより多くの人に届けたいです。」
「愛」を「行動意欲」に変えることができれば、志望動機は「応援したい人」から「一緒に働きたい人」へと格が上がります。
志望動機の構成や内容がどれほど良くても、文章が読みにくければ、採用担当者に伝わりません。
企業の採用担当者は、1日に何十枚ものエントリーシート(ES)を読みます。
1枚あたりにかける時間は、長くても数十秒。
だからこそ、「一読して理解できる文章かどうか」が選考通過のカギになります。
ここでは、志望動機を伝わる文章に変えるための3つのテクニックを紹介します。
採用担当者は、「結局この学生は何を言いたいのか?」を最初の一文で判断しています。
そのため、志望動機は結論ファースト(先に結論を言う)を徹底しましょう。
NG例:
「〇〇な経験から、〇〇な課題意識を持つようになり、その課題解決に最も適した御社を志望しました。」
(何を言いたいのかがすぐに分からない)
OK例:
「私が御社を志望する理由は、〇〇という課題を、御社独自の技術と事業を通じて解決したいと考えているからです。」
(要点が一文で伝わる)
ポイントは、「なぜ御社を志望するのか」を最初に書くことです。そのあとに、理由や背景、原体験を補足すればOKです。
文章の冒頭で「私は〇〇をしたい。その理由は〜」という構造にするだけで、読む側の理解スピードが格段に上がります。
どれだけ思いがあっても、論理が飛んでいると説得力は生まれません。
採用担当者は、「なぜそう思うのか」「なぜその経験が企業で活きるのか」という因果関係を見ています。
文章の中で、以下の2点を意識してみてください。
・因果関係を示す接続詞を積極的に使う
「〜だからこそ」「その結果」「それゆえに」「具体的には」などを活用し、思考のつながりを見せましょう。
・抽象ではなく具体で語る
抽象的な言葉(例:課題解決力・主体性)だけで終わらせず、 「実際にどんな行動をして、何が変わったのか」まで書きます。
例:「長期インターンでは、売上が伸び悩む原因を分析し、SNS運用を改善しました。その結果、3か月で新規顧客が20%増加しました。」
このように「原因→行動→結果」の流れを作ると、思考力・実行力・再現性が明確に伝わります。熱意をロジカルに翻訳することが、読みやすさの本質です。
意外と多いのが、指定文字数の半分しか書かないパターンです。しかし、採用担当者は「字数の使い方」からも志望度を判断しています。
たとえば400字指定の欄に200字しか書いていないと、「この学生はそこまで深く考えていない」と見なされかねません。
目安は、指定文字数の8〜9割以上。少なくとも「空白が目立たない程度」に埋めるのが理想です。
ただし、無理に文字数を稼ぐのではなく、
・経験をもう一段掘り下げる
・企業との関連をもう少し具体化する
・将来のビジョンを補足する
といった形で、中身を濃くする方向で文字数を満たすのがポイントです。
「構成は理解できたけれど、書くためのネタがない」このように悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
志望動機が書けない原因の多くは自己分析不足ではなく経験不足です。どれだけ論理的な構成を学んでも、語るべき原体験がなければ、言葉に厚みが出ません。
ESの通過率が高い学生ほど、リアルな実体験に基づいた志望動機を書いています。企業HPやニュースから拾った情報だけではなく、実際に自分が現場で「見て・感じて・考えた」経験が、説得力を生むからです。
例:「学生時代に長期インターンで新規顧客開拓を担当し、顧客ニーズと事業成長の両立の難しさを実感しました。この経験から、社会の課題をビジネスで解決することに関心を持ちました。」
このように、自分の言葉で語れる志望動機には現場の温度感が宿ります。そして、その現場を最も身近に体験できるのが、長期インターンです。
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