長期インターンの面接において、企業は学生のどこを見ているのでしょうか。結論から言うと、評価されるポイントはスキル面での「思考力と実行力」、そしてマインド面での「素直で前のめり」かつ「Give思考」な姿勢です。
なぜこれらが重要視されるのか。それは、企業が長期インターン生を「期待のポテンシャル戦力」として見ているからです。
この記事では、企業が期待する「ポテンシャル」の正体を紐解きながら、面接で確実に評価されるアピール方法を解説します。
長期インターンの面接官は、現時点での完成されたスキルよりも、入社後の伸びしろ(ポテンシャル)を見ています。具体的に、企業はインターン生にどのような期待を寄せているのでしょうか。
企業が長期インターン生に期待している役割は、新卒1年目の社員や、部活に入ってきたばかりの1年生への期待に近いものがあります。
・その会社ならではのやり方をすぐに吸収してくれる
・組織の最若手として元気に活動し、社内に活気をもたらしてくれる
・ある程度のインプット(教育)をしたら、自分なりに解釈してアウトプット(成果)に移してくれる
つまり、最初から完璧にできることよりも、「組織に馴染み、元気に動き回りながら成長してくれること」が求められています。
一方で、以下のような要素はマイナス評価となります。
・元気や覇気がない(変に落ち着きすぎたベテラン感は求めていない)
・会社のやり方に一切従わず、自分勝手に自己流で進める
・行動しない、考えない
いくら優秀でも、組織の空気を悪くしたり、扱いづらいと感じさせる態度はNGです。
スキル面で重視されるのは、自分で課題を見つけ解決策を考える「思考力」と、それをやり切る「実行力」です。
もちろん、こうしたスキルをビジネスの実践を通じて身につけることこそが、長期インターンに参加する本来の目的でもあります。そのため、面接の時点で「私には完璧な思考力と実行力があります」と、完成されたスキルをアピールする必要はありません。
企業側も学生に対して即戦力の完成度は求めていません。重要なのは、現時点でスキルが完成していることではなく、「入社後にそれらを吸収し、発揮できるポテンシャルがある」と伝えることです。
ここからは、企業が期待するポテンシャルの正体と、面接での効果的な伝え方について解説します。
思考力や実行力を発揮する以前の大前提として、「その会社のやり方を素早く習得するスキル」があるかどうかが重要です。
どんな会社にも、これまでの歴史の中で培われてきた「そのやり方になった理由」が必ず存在します。入社してすぐに「このやり方は非効率だ」と批判するのではなく、まずは素直に受け入れ、既存のルールやフローを徹底して守る姿勢(郷に入っては郷に従う姿勢)が必要です。
企業が求める本当の意味での「思考力と実行力」とは、既存のやり方をリスペクトして実行し続けた上で、「実際にやってみて感じた不便さ」を少しずつ改善していくプロセスで発揮されます。
最初は型通りに進め、そこから徐々に改善案を出して実行に移せること。これが、企業が長期インターン生に求める理想のスキルセットです。
では、これらのスキルを面接(ガクチカなど)でどのように伝えればよいのでしょうか。
重要なのは、派手でダイナミックな改革エピソードよりも、「着実な改善のプロセス」を語ることです。
「日々の活動の中で小さな課題を見つけ、原因を特定し、細かく改善を積み重ねた経験」の方が、実務での再現性が高いと判断され、好感触を得やすい傾向にあります。特にベンチャー企業では、朝令暮改(朝決めたことが夕方には変わるようなスピード感)に柔軟に対応しながら、状況を少しずつ良くしていく姿勢が求められます。
面接では「組織の中で課題を見つけ、粘り強く改善し続けた経験」を語り、入社後も地道に貢献できるイメージを持ってもらいましょう。
スキル以上に合否を分ける決定的な要素、それがマインド(スタンス)です。
厳しい現実を言ってしまうと、企業からすれば、応募してくる学生のビジネススキルやセンスに大差はありません。未経験である以上、どんぐりの背比べであることがほとんどだからです。
しかし、「働くことへの向き合い方(マインド)」には、学生によって天と地ほどの差が出ます。だからこそ企業は、能力の有無よりも、自社のカルチャーや求めるスタンスに合致する学生を優先的に採用します。
では、どのようなマインドが求められるのでしょうか。 長期インターンにおける最も幸福なマッチングは、学生側の「成長したい意欲」と、企業側の「成果を出してほしい意欲」が合致した時に生まれます(Win-Winの構造)。
細かい相性は人対人なので運の要素もありますが、この「自分の成長を企業の成果に繋げる」という大枠のスタンスさえ合っていれば、多くの問題は解決できます。
過去、長期インターンを通じて圧倒的な成長を遂げた人たちに共通しているのが、このWin-Winの構造を理解し、「素直で前のめり」かつ「Give思考」を持ち合わせていたという点です。
ここでは、その2つの重要なマインドについて解説します。
「素直で前のめり」とは、アドバイスや指示を素直に吸収し、即座に行動に移せる姿勢のことです。
「言われたことをやるなんて当たり前では?」と思うかもしれません。しかし、これを徹底して実践できる人は意外と少ないのが現実です。
例えば、先輩から「こうした方がいいよ」とアドバイスをもらった時、明らかにやった方が良いことなのに、「でも」「忙しいから」と面倒くさがって結局やらない人は案外多いものです。 だからこそ、アドバイスをまずは受け入れ、すぐに実行に移せる素直さを持っているだけで、企業からは「希少な人材」として評価されます。
■なぜこのマインドが求められるのか
採用側の視点に立つと、理由は明確です。何かを教えた時に、それをスポンジのように吸収し、どんどん行動に移してくれる学生の方が成長が早いからです。
また、長期インターンを募集するベンチャーやスタートアップ企業は、常に人手不足で社員も多忙です。手取り足取りじっくり教育する余裕がないケースも少なくありません。 そのような環境では、指示を待つのではなく、自分から仕事を取りに行ったり、分からないことを積極的に聞きに行けたりする「自走できる人材」でないと、活躍のイメージが湧かないのです。
もう一つ不可欠なのが「Give思考」です。これは、「自分が組織に価値を提供(Give)することで、結果として成長や経験が得られる」と考えるスタンスのことです。
厳しい言い方になりますが、企業は「職業訓練所」ではありません。
多くの学生が志望動機で「最先端のマーケティングスキルを教えてほしい」「優秀な社員のもとで指導してほしい」と語ります。しかし、これは典型的な「Take思考(受け身)」であり、面接官の評価を下げる要因になります。
■学習意欲はGood! 成長は「教えてもらう」ものではなく「自ら掴み取る」ものと考えよ
企業側も学生の成長を応援したいとは思っていますが、それはあくまで「ビジネスの実践の中で、学生自身が泥臭く動いた結果として得られるもの」だと考えています。手取り足取り授業をしてくれるわけではありません。
そのため、面接での伝え方には工夫が必要です。
NGな伝え方(受け身) 「未経験なので、イチから手厚く教えてほしいです」
OKな伝え方(能動的) 「優秀な方々の働き方を近くで見て学べる環境を求めています」 「座学ではなく、実際に自分で手を動かして経験できる環境で成長したいです」
このように、「教えてもらう(受動)」のではなく、「成長するために行動しやすい環境(能動)」を求めていると伝えることで、企業側も「この学生なら現場で勝手に育ってくれそうだ」と期待を寄せることができます。