「長期インターンって、なんとなくみんなやってるけど、自分もやった方がいいのかな……?」
就活や将来のキャリアを意識し始めたタイミングでは、このような疑問を持つ人も多いはずです。
周囲の友人がインターンを始めている中、何もしないのは不安。でも、実際にどんなことをやるのか、やった方がいいのか、はっきりとはわからない——。
この記事では、「長期インターンとは何か?」という基本から、「本当に就活に効くの?」「時間をかける価値はあるの?」といった疑問にお答えしていきます。
タイパ(タイムパフォーマンス)重視で就活やキャリア構築を進めたい方に向けて、長期インターンのメリットと選び方を解説します。
▼目次
長期インターンとは、「有給で長期間(約6ヵ月以上)、実際のビジネスの現場で就業すること」を指します。
学生でありながら企業に所属し、正社員と同じような業務を任される点が特徴です。
勤務頻度は「平日週3日・週20時間以上」が一般的で、期間も半年以上の継続参加が想定されます。
アルバイトとの最大の違いは、「働く目的」です。
アルバイトが“お金を得るため”の手段であるのに対して、長期インターンは“スキルと経験を得るための自己投資”の場です。
もちろん報酬は出ますが、それ以上に「将来の就活・ビジネスの現場で戦える実力」をつけることが、長期インターンの本質的な目的です。
短期インターンと長期インターンでは、実施の目的や内容が大きく異なります。
短期インターンは、主に企業説明のような位置づけで、企業の事業内容や社員の雰囲気を理解するために行われます。特に外資系投資銀行やコンサルティングファームなどでは、選考の一環として短期インターンが行われることもあります。つまり、「企業を知ってもらう/企業が学生を見極める」ことが目的です。
一方、長期インターンは、ビジネスの現場で実践的なスキルや経験を得ることを目的としています。社員と同じような業務に長期間取り組むことで、社会人と近いレベルの力を身につけることができます。
一般的に長期インターンとは、週に平日3日・20時間以上、6か月以上の勤務が求められる就業スタイルです。
これは学生にとって決して軽くはない負担ですが、大学の授業との両立は十分に可能です。実際、多くの先輩インターン生が時間割を調整しながら参加しています。
大学の授業やサークル、個人の趣味などとの両立のカギを握るのが、土日の使い方と周りの人との信頼です。
まず長期インターンは、社会人同様、基本的に平日勤務、土日は休みです。そのため、土日は大学の勉強や自分・友人との時間に充てることができます。
一方で、企業によっては「土日も勤務可能」としている場合もあります。
「平日は授業が詰まっていて動けない…」という方でも、土日で勤務時間を確保するという調整も可能です。
※土日勤務の有無や初期研修期間の働き方など、勤務条件は企業によって大きく異なります。
また長期インターン生としてある程度周囲の信頼を得られてくると、自分で勤務時間をコントロールできるようになることが多いです。
例えば、午後出勤の日を作ったり、リモート勤務できる日を作ったりできるようになります。また事前に相談すれば、試験期間やサークルの出展など、特定の忙しい期間に休むこともできます。
一方、アルバイトとの両立は推奨しません。正直に言って、時間がもったいないからです。
長期インターンは「時間をかければかけるほど、スキルと経験の伸びが指数関数的に増えていく」という性質があるからです。
限られた時間を「成長のための自己投資」に集中したいなら、長期インターン一本に絞るほうがタイパ(時間対効果)が高いです。
他によく聞かれる質問に「留学と長期インターンは両立できますか?」というものもあります。
基本的には、留学先でしか得られない経験に集中することを優先すべきですが、学んでいる内容(たとえば経済・マーケティングなど)とインターン内容が重なる場合には、相乗効果が高く、非常に有意義になります。
長期インターンでは、月あたり【8万円~11万円程度】の給料をもらえます。
内訳は以下のとおりです。
時給:1,163円以上
勤務時間:月80時間程度
→1,163円×80h=93,040円
ほとんどの長期インターンでは、契約形態はアルバイト契約となり、給料は時給で計算されます。所得税や社会保険は通常のアルバイトと取り扱いは同じです。ただし業務委託契約(フリーランス契約)を提示する企業もあります。
2025年6月1日時点での東京都の最低賃金は1,163円で、平均的な時給は1,200円と設定されています。過去の経験や業務の難しさに応じて時給は変動し、1,500円~2,000円のレンジで設定する企業もあります。
まず、エントリーシートや面接でよく問われる「学生時代に力を入れたこと(=ガクチカ)」として、非常に書きやすい素材になります。
特に、ビジネスの現場で成果を出した経験や、そのプロセスで考えたこと・工夫したことは、面接官である社会人にとってもイメージしやすく、説得力が強まります。
また、実務経験に基づいたスキルや思考力は、「この学生は入社後にも戦力として活躍できそうだ」という評価の根拠になります。
部活動やボランティアなどと比較しても、ビジネス直結のガクチカは就活で非常に強みになります。
長期インターンの経験は、短期インターンでの課題やグループワークでも活きます。
なぜなら、選考インターンのジョブやGDで出される課題の多くは「ビジネス上の課題に対する解決策を考える」という内容であり、これは長期インターンの現場で日常的に取り組むものだからです。
言い換えれば、長期インターンを通じて、実践的な“選考練習”が積めるということでもあります。
長期インターンでは実際の職場での業務を経験することで、業界理解や企業の慣習への理解が深まります。
その結果、自分に合わない企業を早めに見極められたり、志望企業に特化した就活戦略を練ることができたりと、効率的な意思決定と対策ができるようになります。
就活のタスクの中でも特に手間のかかるのが、自己分析や業界研究です。
ここでつまずきがちなのは、「何から手を付ければいいか分からない」という“0→1の壁”です。この"0→1"の壁を乗り越えられる環境が、長期インターン先に用意されていることがあります。
多くのインターン先企業では、先輩社員や先輩インターンとの1on1面談や相談時間が用意されています。
そこで就活に関する悩みや、「どんな観点で自分を分析すればいいか」「この業界って実際どうなのか」といった疑問を気軽に相談できます。
自己分析や業界研究は、本やサイトだけで完結するものではなく、経験と他者との対話の中で深まっていくものです。
長期インターンは、その「実体験」と「対話」の両方が手に入る貴重な環境です。
1から10まで企業や先輩社員らを頼ることはナンセンスですが、最も難しい0→1の部分は、しっかり手伝ってもらって構いません。
また、社内外の人と仕事をする中で、ビジネスパーソンが他の人や企業をどう評価しているのかが肌感覚で分かるようになってきます。
たとえば
「この人はなぜ社内で信頼されているのか」
「この会社はなぜ取引先から選ばれているのか」といった視点を持つことで、就活における「企業を見る目」あるいは「企業から見られる部分の理解」が自然と身につきます。
長期インターンで得られるものを一言で表せば、「ビジネスパーソンとしての魅力」です。
たとえば
・相手の立場に立って営業・提案ができる
・数値目標に粘り強く向き合える
・素直に助けを求められる謙虚さ
・資料作成や報告のロジックが明快
こうした力は目に見えるスキルと、目に見えない人間性の掛け合わせで成り立っています。これらを総合的に得られるのが長期インターン最大のメリットです。
「長期インターンって、実際にどんな仕事をするんだろう?」
ここでは、長期インターンで募集される代表的な職種や、実際の仕事内容、未経験でも挑戦できるのかという点まで詳しく解説します。
・SNS運用やコンテンツ企画
・Web広告の効果測定・改善提案
・イベント企画・集客施策の実行 など
→ ユーザー目線で「どうすれば売れるか」を考える力が身につきます。
・法人営業の商談同行・リスト作成
・テレアポやメール営業の実施
・提案資料の作成・プレゼン練習 など
→ 社会人とのやり取りを通して、伝え方・信頼関係の築き方が学べます。
・新規サービスのアイデア出し・市場調査
・競合分析・戦略立案補助
・企画書やピッチ資料の作成 など
→ 経営視点やロジカルな仮説構築の力、目標達成のために粘り続ける泥臭さを養えます。
・Webサイトの開発・保守
・UI改善やFigmaによるデザイン制作
・サーバー運用・実装支援 など
→ 技術力とビジネス感覚をセットで伸ばせる環境です。
長期インターンは、「インターン生だから雑用だけ」というスタンスではありません。
多くの企業では、研修→サポート→独り立ちと段階的に成長できる設計になっています。
・はじめは先輩のサポートからスタート
・慣れてきたら、自分が主体となる施策を任される
・成果を数値で追い、社員と同じKPIで評価されることも
こうした実務経験を通じて、単なる「お手伝い」ではない、本当のビジネス経験が得られます。
結論から言えば、未経験であることそれ自体は全く問題ありません。
長期インターンをする学生のほとんどは、在学中に1社しか長期インターンをしません。裏を返せばほとんどの企業で、未経験者を採用していることになります。
企業側も学生がビジネス未経験であることをある程度前提に受け入れており、研修制度やマニュアル、メンター制度が整えている場合がほとんどです。そのため未経験であること自体に不安を感じる必要はありません。
一方で選考の基準はかなり厳しいです。ビジネスは未経験であっても、それに準ずる経験があるかどうか、過去の活動をどうビジネスに応用させようとしているか、はしっかり評価してきます。
そのため志望動機をしっかり準備し、「これまでに何をしてきたか」、「これからどう成長するつもりか」を、ビジネス未経験なりに説得できる状態にしておきましょう。
長期インターンは就活を有利に進めるために活用できます。
ただし、「長期インターンをやっていたから有利になる」というよりも、「インターンを通じて得た経験・スキル・思考」が就活で強い武器になるというのが正確です。
たとえば…
・面接で「ビジネスパーソンと同じ目線で話せる」
・短期インターンやGDでの課題対応に慣れている
・社員との座談会やリクルーター面談でも印象に残る受け答えができる
こうした力はすべて、日々のインターン業務を通じて自然と身につくものです。
結果として、大手企業の本選考や早期選考でも有利に立ち回れるようになります。
「バイトと比べて、長期インターンのほうがコスパいいの?」という問いに対しては、目的によって答えが変わります。
・「お金を稼ぎたい」なら、時給制のバイトの方がコスパは高い
・「成長したい」「学びを得たい」なら、長期インターンの方が圧倒的にリターンが大きい
・長期インターンは、得られる報酬に対して業務内容や責任が重いことも少なくありません。
ですが、「お金+スキル+経験+人脈」が得られるのが長期インターンです。
もし「もうアルバイトでは学べることがない」「もっと実践的な学びの場がほしい」と感じるなら、長期インターンの方が自己投資としてのリターンは大きいです。
スキルや思考力、人間関係の築き方、社会での振る舞い方など、将来のキャリアに直結する経験が積める点で、“経験を重視する人”にとっては長期インターンの方が価値ある選択肢になります。
長期インターンは時間をかければかけるほど、その成果・リターンが大きくなるもので、自己投資として割が良いです。
ただし、その投資効率を最大化するには、企業選びが肝心です。
特に自分が長期インターンをする目的が達成される業界、企業、職種をこだわって選ばないと時間が無駄になってしまいます。企業選びは妥協せず、しっかりこだわりましょう。
一方で視野を狭めすぎて、企業選びが進まないのも逆効果です。みなさんが想定すらしていなかったような成果を得られることは多々あります。
このあたり、こだわる部分と成り行きを楽しむ部分のバランスをとってください。
「長期インターンに挑戦してみたい!」と思っても、「どうやって探すの?」「何から始めればいいの?」と迷う方は多いはず。
このパートでは、実際に長期インターンを始めるまでの流れと、自分に合った企業を見つけるための探し方を、具体的なステップに分けてご紹介します。
まずは、長期インターンを始めるまでの大まかなステップを確認しましょう。
<長期インターンを始めるまでの流れ>
① 長期インターンの求人サイトなどを使って、挑戦してみたい企業を探す
② その企業の長期インターン選考に応募する
③ 選考を受けて内定を得る
特別なスキルや経験は不要です。まずは「ちょっと面白そう」と思える求人をいくつか見つけるところから始めてみてください。
① 長期インターンの求人サイトなどを使って、挑戦してみたい業界、職種、企業を探してみる
→ 最初は「なんとなく興味がある」でOK。気になるワードで検索してみましょう。
② なぜその業界/職種/企業に挑戦してみたいのか、できる限り言語化してみる
→ 書き出してみることで、自分の価値観や就活の軸が見えてきます。
③ 言語化した志望動機をもとに、再度企業を探し直す
→ この時点で、長期インターン専門のエージェントサービスを活用すると、軸に合った企業を効率よく見つけやすくなります。
④ 選考を受ける企業を3〜5社程度ピックアップする
→ 1社だけに絞らず、比較しながら受けてみるのがおすすめです。
長期インターン探しは“情報戦”でもあります。
自分で探すのが不安な方は、Intern Streetのようなサポートつき長期インターンサービスを活用するのも一つの手です。
自分に合った企業に出会えるまで、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
長期インターンに関する質の高い情報、信用できるエージェントの利用を検討している場合、ぜひIntern Streetを活用してください。
Intern Streetは、ハイレベルな求人、確実に成長できる求人にこだわって求人をご案内しています。
具体的には
・営業やマーケティングから始まって、1年後には経営・BizDevに関われる求人
・直近大型の資金調達に成功し、企業として大型のグロース期を迎えた求人
・スタートアップ界隈で著しく話題になっている企業の求人
・創業3年以内で、会社のコアメンバーになれる求人
などをご紹介しています。他社さまと比較して、すこし業務の難易度が高い求人が多い傾向にありますが、その分得られる成長には自信がございます。
Intern Streetでは毎日「長期インターン面談」というかたちでエージェントサービスを提供しています。
長期インターン面談では、自分に合ったインターン先を専門エージェントと一緒に効率的に探すことができます。2017年のサービス開始以来、業界最長規模の8年の紹介実績があり、長期インターンで成功した人の事例を多数把握しているため、失敗しない長期インターン探しをサポートできます。
「長期インターンって、本当にやる意味あるの?」
「時間をかけてまでやる価値があるのかな……?」
そんな不安を抱えてこの記事にたどり着いた方に、改めて伝えたいことがあります。
長期インターンは、将来の自分への自己投資です。
確かに、始める前はイメージしにくいことも多いでしょう。
でも一歩踏み出せば、社会人と同じ環境で“考えて動く”経験を積むことができ、
その結果、就活の場面で一段上の戦い方ができるようになります。
周りと差がつくガクチカ、面接で伝わる思考力、社員に好印象を残す言動力——
すべて、長期インターンで得られる力です。
「時間をかける価値があるのか?」と悩むなら、タイパの視点で判断してみてください。
半年で人生が変わるなら、それは十分割に合う投資と言えるのではないでしょうか。
まずは、気になるインターンを探してみるところから始めてみてください。
未来のあなたが「やっておいて良かった」と思える経験が、きっと見つかるはずです。