「ガクチカ」という言葉を聞いて、
「アルバイトしかしてこなかったけど、大丈夫かな…?」
「留学経験もないし、アピールできることがない…」
と不安に感じていませんか?
履歴書やES(エントリーシート)で必ずと言っていいほど問われる「学生時代に力を入れたこと」、通称「ガクチカ」。特別な経験がないと悩む学生はとても多いです。しかし、安心してください。企業がガクチカで知りたいのは、すごい実績や華やかな経歴ではありません。
この記事では、
・ガクチカとは何か
・企業が評価するポイント
・説得力のあるガクチカの書き方
について、具体的な構成と例文を交えて解説します。皆さんが持つ「普通の経験」を、人事担当者の心に響く「最高のガクチカ」に変える方法をご紹介します!
▼目次
ガクチカとは「学生時代頑張ったこと・学生時代力を入れたこと」の略称です。
就職活動の選考においては、「学生時代に打ち込んだことは何ですか?」「学生時代に成し遂げたことは何ですか?」と、必ずと言っていいほど質問される項目になります。
「自己PRと同じではないか?」と感じる就活生もいるかと思いますが、自己PRでは「自身が企業のために貢献できる存在である」ことをアピールすることに対し、ガクチカではそれに加えて「自身の能力を最大限引き出すモチベーションの源泉がどこにあるか」を書きます。
ガクチカと自己PRで同じエピソードを用いるとしても、ガクチカでは「なぜその活動に取り組んだのか」「具体的にどのように取り組んだのか」までを書く必要がある点において、両者は異なるといえます。
それでは、なぜ企業はガクチカを知りたいのでしょうか。それは、皆さんの過去の経験から、入社後に活躍できる可能性を判断したいからです。
企業がガクチカを通じて評価しているのは、主に以下の3つのポイントです。
企業は、皆さんが「なぜそれをやろうと思ったのか」「どんな課題に直面し、どう考えて乗り越えたか」といったプロセスを知りたいと考えています。このプロセスからは、論理的に物事を考える力や、課題解決のために主体的に行動する力がわかります。
例えば、飲食店のアルバイトで売上が伸び悩んでいるという課題に対し、「メニューの配置を変えたり、お客様にアンケートを取ったりして改善を試みた」といった具体的な行動は、皆さんの思考力や課題解決能力を示す貴重なエピソードになります。
「学生時代に何をしていたか」という事実だけでなく、その活動に「なぜ、どのように取り組んだのか」が重要です。
自ら目標を設定し、周囲を巻き込みながら実行する主体性は、社会に出てから求められる重要な資質の一つです。
「サークルの新歓イベントで集客が落ちていたので、SNSでの発信を強化し、新入生向けイベントを企画した」といったエピソードは、主体的に行動できる人物であることの証になります。
企業はガクチカを通じて、皆さんが「何にモチベーションを感じるのか」「どんな困難にやりがいを感じるのか」といった価値観や人柄を知りたいとも思っています。
これは、その学生が自社の社風や仕事内容にフィットするかどうかを判断する上で非常に重要です。
例えば、「チームで一つの目標を達成することに喜びを感じた」「周囲の人の役に立つことにやりがいを感じた」といった内面的な動機を伝えることで、企業は皆さんの人柄や価値観を深く理解することができます。
ガクチカで評価されるポイントを理解したところで、次は具体的な書き方を見ていきましょう。
効果的なガクチカは、以下の5つのステップで構成されます。この流れに沿って書くことで、採用担当者が知りたい情報を漏れなく、かつ論理的に伝えることができます。
①結論: まず「何を頑張ったか」を端的に伝えます。
②背景・動機: 次に「なぜその活動に取り組んだのか」を説明します。
③課題と行動: ぶつかった壁と、それを「どう乗り越えたか」を具体的に書きます。
④結果: 努力によって「どんな成果が出たか」を明記します。
⑤入社後の活かし方: その経験を「仕事にどう活かせるか」で締めくくります。
この構成を念頭に置きながら、それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。"
まず、結論として「学生時代に最も力を入れたことは〇〇です」と端的に述べましょう。これは、採用担当者が最初に知りたいことだからです。結論を先に示すことで、その後の話が頭に入ってきやすくなります。
次に、その活動に取り組んだ背景や動機を具体的に説明します。
「なぜ、その活動に力を入れようと思ったのか?」
「活動を始める前に、どんな課題や目標があったのか?」
といった問いに答えることで、皆さんの思考の深さや価値観が伝わります。
これがガクチカの中心となる部分です。活動中に直面した課題や困難を具体的に示し、それに対して皆さんがどのように考え、どんな行動を起こしたかを詳しく記述します。
このとき、「PDCAサイクル」(Plan-Do-Check-Action)を意識して書くと、より論理的で分かりやすい文章になります。
Plan(計画): 課題を特定し、目標を設定した
Do(実行): 目標達成のために行動した
Check(評価): 行動の結果を分析し、反省点を見つけた
Action(改善): 次の行動に活かした
行動の結果、どのような成果が出たかを具体的に書きます。成果は、「売上〇%アップ」「フォロワー〇人増加」といった定量的なものだけでなく、「チームの雰囲気が良くなった」「お客様から感謝された」といった定性的なものでも構いません。
結果を具体的に示すことで、皆さんの努力や行動に説得力が増します。
最後に、ガクチカで得た学びやスキルを、入社後にどう活かせるかを述べます。
「チームをまとめる経験から培ったリーダーシップを、御社の新規事業開発で活かしたい」「顧客の課題を聞き出すコミュニケーション能力を、営業職で発揮したい」といったように、具体的な職務内容と結びつけることで、入社意欲の高さとポテンシャルをアピールできます。
以上いろいろと記載してきましたが、「結局、何が正解なの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで、数多くの学生をサポートしてきたIntern Streetの面談講師に、「ガクチカのどこを見ているのか」を聞いてみました。
どれだけ素晴らしい経験でも、面接官に伝わらなければ意味がありません。
ガクチカのエピソードに「なぜ?」や「どうやって?」といった抜けがないか、論理の飛躍がないかを常に確認しましょう。
面接官はあなたの活動を何も知らない状態です。初めて聞く人にも分かるよう、背景から結果までを順序立てて説明することが大切です。
必ずしも必須ではありませんが、数字を用いることで説得力が増します。「売上〇%アップ」「フォロワー〇人増加」といった定量的な数字は、あなたの貢献度や達成度を一目で伝えることができます。
さらに、「平均〇人に対して、私は〇人を達成しました」のように、比較対象を明記すると、実績の大きさがより伝わりやすくなります。
ただし、ただ数字を書けばいいという話ではありません。なぜその数字を目標として設定したのか、その数値にたどり着くまでに何をしたのかが、筋の通ったストーリーに沿って語られることが大事です。
ガクチカで最も評価されるのは、「自身が課題を発見し、解決したプロセス」です。
単に「上司に言われたからやった」という受け身の姿勢ではなく、「なぜこの課題があるのか」を自ら考え、主体的に行動したエピソードを選びましょう。
主体性が感じられるエピソードは、面接官にあなたのポテンシャルを強く印象付けます。
ガクチカのポイント・書き方が分かったところで実際の使用例を見ていきましょう。
「特別な経験がない」と悩む学生の多くは、アルバイトやサークルの経験をガクチカにすることに不安を感じています。しかし、このどちらもガクチカの宝庫です。
ここでは実際にIntern Street面談講師が使用していたアルバイトやサークルの経験をもとにしたガクチカを例文として3つ掲載いたします。
【結論】
学生時代は、寿司屋でのアルバイトに最も力を入れました。
【背景・動機】
私が働く寿司屋は常連のお客様が多い一方で、新規のお客様がなかなか定着しないという課題がありました。私は、お客様一人ひとりに「また来たい」と思ってもらえる店にしたいと考え、接客改善に力を入れようと決意しました。
【課題と行動】
まず、お客様がどのようなサービスに満足しているかを知るため、先輩スタッフと協力して「お客様の声アンケート」を導入しました。その結果、「店の席が空いているのか外から分かりにくい」「注文のしかたがはじめてでは分かりにくい」という声が寄せられました。
そこで、私は2つの施策を実行しました。一つは、店前に今の混雑状況の看板を分かりやすく掲示することです。もう一つは、新規のお客様のために注文方法や常連のお客様のおすすめのメニューを記載した紙をカウンターに設置することです。
【結果】
この取り組みの結果、新規のお客様の再来店率が前年比で15%向上し、店長からも「お客様との距離が近くなった」と評価されました。
【入社後の活かし方】
この経験から、課題を発見し、チームを巻き込みながら解決策を実行する力を培いました。この課題解決能力は、貴社が掲げる「顧客第一主義」の営業職において、顧客の潜在的なニーズを引き出し、最適なソリューションを提案する際に活かせると確信しております。
【結論】
学生時代は、○○塾の学生チューターとして、中高生約20名の学業・進路支援に最も力を入れました。
【背景・動機】
担当生徒の中には、志望校へのモチベーションを維持できず、成績が低迷してしまう生徒がいました。私は、彼らが再び目標に向かって前向きに取り組めるよう、学業面だけでなく精神面でもサポートしたいと考えました。
【課題と行動】
生徒のモチベーション低下という課題に対し、私は以下の2つの施策を実行しました。
一つ目は個別の課題解決に向けた計画を一緒に立案することです。
生徒との面談で、なぜ成績が上がらないのか、何に悩んでいるのかを徹底的に話し合いました。その上で、私自身の受験経験も踏まえ、一人ひとりの課題に合わせた具体的な年間計画を一緒に立てました。
二つ目は学習管理アプリを活用し、定期的にコミュニケーションをとることです。
学習管理アプリ「○○」のメッセージ機能を使い、テスト前や模試後など定期的に励ましのメッセージを送りました。計画の進捗状況やモチベーションの状態を確認し、必要に応じて面談を組み直すなど、生徒が孤立しないよう継続的にフォローしました。
【結果】
これらの取り組みの結果、担当生徒の学業成績は向上しました。特に、高校3年生の担当生徒のうち、○○大学や○○大学といった難関大学への合格者を輩出することができました。
【入社後の活かし方】
この経験から、相手の課題を深く理解し、それに対して具体的な解決策を継続的に実行する力を培いました。この相手に寄り添い信頼関係を築く力は、お客様一人ひとりの潜在的なニーズを引き出し、最適なソリューションを提案する際に貢献できると確信しております。
【結論】
学生時代は、国際交流団体の活動に最も力を入れました。
【背景・動機】
私が所属していた国際交流団体は、600名以上の大規模な組織でした。しかし、多くのメンバーが活動に興味を持ちながらも、各イベントへの実際の参加者は10〜30名程度と低迷していました。メンバーが「バイトと活動が重なる」「活動内容がよく分からない」といった課題を抱えていることに気づき、より多くの仲間が活動に参加できる組織に変えたいと考えました。
【課題と行動】
イベント参加率の低さという課題に対し、私はリーダーとして以下の2つの施策を実行しました。
一つ目はイベント開催スケジュールの見直しです。
平日の放課後に集中していたイベントを、メンバーの参加しやすい土日開催に増やすことで、学業やアルバイトとの両立を図りました。
二つ目は情報発信の強化です。
InstagramやTwitterなどの各種SNSアカウントを積極的に活用し、イベントの企画内容や当日の様子をリアルタイムで発信しました。これにより、活動内容の透明性を高め、メンバーが「自分も参加したい」と思えるような魅力を伝え続けました。
【結果】
これらの取り組みの結果、イベントへの参加人数は大幅に増加しました。特に土日開催のイベントでは、100名を超えるメンバーが参加してくれるようになり、組織全体の活性化に繋がりました。また、イベントを通じて新たな交流が生まれ、メンバー間のつながりが深まったことで、活動に対する満足度も向上したと考えています。
【入社後の活かし方】
この経験から、課題を正確に分析し、多様なニーズを持つ人々の意見を汲み取って具体的な解決策を実行する力を培いました。この「課題解決能力」と、チーム全体を巻き込みながら目標を達成する「リーダーシップ」は、入社後も顧客やチームメンバーの課題を特定し、良い方向へと進める際に役立つと考えております。
「それでも、やっぱりガクチカがない…」そう感じるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?
サークル活動、学業、ボランティア、資格取得の勉強…どんな小さな経験でも、そこに「なぜ?」という問いを投げかければ、立派なガクチカに変わります。大切なのは、活動そのものではなく、そこから何を学び、どう成長したかです。
そして、それでもまだガクチカに自信がない場合には、長期インターンという選択肢もあります!
長期インターンとは、「有給で長期間(約6ヵ月以上)、実際のビジネスの現場で就業すること」を指します。
大学生でありながら企業に所属し、正社員と同じような業務を任される点が特徴です
多くの企業では、以下のような条件で募集されています。
・週3日以上・週20時間程度の勤務
・最低3〜6ヶ月以上の継続
・業務内容は実際の社員と同じ
ただのおしごと体験ではなく、企業の一員として働きながら成果を出すのが長期インターンです。
長期インターンでは、数か月〜1年以上にわたって実務に関わることで、短期インターン選考や本選考に直結するスキルが身につきます。
・論理的に考える力:市場分析や施策立案を通じて、数字やデータを根拠に思考できる
・伝える力:上司やチームメンバーへの報告・提案を繰り返す中で、PREP法的な話法が自然に身につく
・協働力:実務の中で役割分担・合意形成を経験するため、グループワーク選考で強みになる
これらは、まさに短期インターンや就活選考で評価される能力そのものです。
長期インターンでのガクチカは必然的に「ビジネスの実務で頑張った経験」になります。
そのためガクチカで評価されるポイントをおのずと抑えたガクチカになりますし、企業の採用担当者にとってもイメージしやすいものとなります。
詳しくはこちらの記事もご覧ください!
長期インターンはガクチカに使えるのか?難関企業内定を目指す戦略
長期インターンは、一定の時間を投下してビジネス的成長を得る究極の「自己投資」です。そのため自分に合った長期インターンを選ばないと、狙った成果が得られません。
長期インターンを募集する企業は年々増加しています。その中から“自分に本当に合う企業”を自力で見つけるのは、実はとても難しいものです。
「気になる企業はあるけど、実際どんな働き方なのか分からない…」
「長期で続けられるか不安だけど、挑戦はしてみたい…」
「せっかくやるなら、就活にもつながる経験がしたい…」
そんな方にこそ活用していただきたいのが、Intern Streetの無料面談です。
Intern Streetの面談でできること
・目的や希望条件を丁寧にヒアリングし、自分に合う長期インターン先の提案
・志望動機の言語化や選考に進む企業ごとのチューニング
・これまでの経験に応じてレベルを合わせた長期インターン先の紹介
・過去の長期インターン生の経験や工夫の共有
・通常必要なESの代理執筆と選考フォローアップ
・長期インターン選考がうまく行かない際のサポート
自分に合うインターン先を見つけるには、正確な情報と第三者の視点が必要です。迷ったとき、不安なときこそ、私たちと一緒に一歩踏み出してみませんか?
「長期インターンって実際どんな感じなの?」
そんな方のために、会員登録不要・最短即日で参加できる「15分面談」を実施しています。
この面談では、例えばこんな疑問にお答えします。
・長期インターンでは、どんな働き方をするのか?
・どんな企業がインターンを募集しているのか?
・インターンに参加するための時間の作り方は?
気になることを気軽に相談できる機会です。初めての方も、まずは情報収集から始めてみませんか?
自分に合った長期インターンを探す前に、まずは自分の適性を知ることから始めましょう!就活をまだ始めていない方も、すでに選考を受けている方も、キャリアの軸を見つける最初の一歩として、この診断を活用してください。
①強みの言語化をしてくれる
自己分析だけでは見つけられなかった、あなたの核となる能力をレポートで明確に提示します。
②適職を提示してくれる
「営業」「企画」「エンジニア」といった職種選びだけでなく、
その職種の中でも「どんな役割で」「どんな環境で」最も力を発揮できるかまで具体的に分かります。
③キャリア選択の羅針盤になる
「なんとなく」ではなく、自分の軸を持って長期インターンや就職活動に進むための、最初のヒントが得られます。